知的財産取引ガイドラインとは?

Q:
知的財産取引ガイドラインとはどのようなものでしょうか?
また、最近、知的財産取引ガイドラインが改正されたと聞きましたが、どのような点が改正されたのでしょうか?どのようなものでしょうか?
また、最近、知的財産取引ガイドラインが改正されたと聞きましたが、どのような点が改正されたのでしょうか?

A:
(知的財産取引ガイドライン(以下、単にガイドラインと言う)の概要)
ガイドラインは中小企業庁が策定し、2021年3月に公表されました。
策定の目的は、主に大企業と中小企業との間で行われる知的財産における取引(以下、知財取引と言う)の問題事例の発生を防止し、知的財産取引を適正に推進することにあります。

 ガイドラインでは、知財取引に関する検討段階を(A)取引契約締結前、(B)試作品製造・共同開発等、(C)製造委託・製造販売・請負販売等、(D)特許出願・知的財産権の無償譲渡・無償許諾の複数段階に分けて、それぞれで特に大企業側で留意すべき点を明示する形式を採っています。
 具体的な内容及び関連する各種契約書のひな形とその解説は下記(1)でご確認願います。

(令和6年改正の概要)
 令和6年(2024年)6月にガイドラインが改正されました。発注者(大企業)が第三者との間に生じる知財訴訟等のリスクを受注者(中小企業)に一方的に転嫁すべきでないと言う内容を追加しています。
 問題事例として、例えば、「A社はB社からの指示に基づく業務にも関わらず、知的財産権に関する訴訟等が生じた場合、A社はその責任を負うという契約条件を押し付けられた。」等の事例が示されています。改正内容の詳細に関しては下記(2)をご確認願います。

(参考:知財経営支援ネットワークの強化について)
 令和5年(2023年)3月より、特許庁、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)、日本弁理士会を知財経営支援のコア団体として、日本商工会議所による「知財経営支援ネットワーク」が構築されています。
 これに対し、近年問題視されている事業者間の知的財産に係る不適切な取引に対処するための支援体制を強化すべく、特許庁・INPIT・日本弁理士会・日本商工会議所による「知財経営支援ネットワーク」へ令和6年(2024年)12月に新たに中小企業庁が加わりました。
 知財経営支援ネットワークの参加機関と中小企業庁の知財Gメンとの情報共有を促進することにより、中小企業等の知財取引の実態把握を強化することが期待されます。
 ネットワークの体制及び支援内容の全体概要に関しては下記(3)をご確認願います。

(実務における考え方)
 ガイドラインは、下請法や独占禁止法や不正競争防止法等に関連する部分もありますが、これ自体が直接的な法的強制力を持つものではありません。
 したがって、ガイドラインに書かれている事項を正しく理解して、顧客と都度合意した上で、取引を進める必要があると考えます。
 また、ガイドラインは大企業と中小企業との間の取引を前提にしていますが、企業の規模に関わらず、中小企業間であっても、発注者が受注者に対して優越的地位を濫用すべきでないことは言うまでもありません。
 このように不適切な知財取引に関しては、行政側で監視、是正する動きが強まっていますが、実際の業務では不適切な事案であるか否か、また、どのように対処すべきかに関して分からない点も多いかと思います。
 このようなお困りごとがありましたら、お気軽に弊所にお声掛け願えればと思います。

(1)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/chizai_guideline.html
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/chizai_guideline/guideline01.pdf
(2)
https://www.meti.go.jp/press/2024/07/20240731001/20240731001.html
(3)
https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230324001/20230324001.html
https://www.meti.go.jp/press/2024/12/20241204001/20241204001.html

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