中国の特許査定率について

 日本で特許になったとしても、中国では特許にならないことがあるという話をよく聞きます。
 2021年の主要特許庁における特許査定率を見ると、USPTO(米国)は79.2%、JPO(日本)は74.8%、KIPO(韓国)は74.0%、EPO(欧州)は62.7%、CNIPA(中国)は55.0%となっています。
 これによると、中国では、特許査定率が日本よりも20%程度低くなっています。冒頭の話は、数字の上でも実証されています。

 中国の特許査定率が他国よりも低い理由は、さまざまな要因があると思われます。
 中国出願を多く担当する弊所弁理士の意見も参考に、主な理由と考えられるものを3つ挙げます。

1.進歩性の判断
 中国では、進歩性の判断基準が他国よりも厳しく、特許になりにくい。

2.特許出願数
 中国では、特許出願数が他国よりも非常に多く、その多数の特許出願のうち、技術レベルが高くない   中国企業の出願も数多く含まれる。その技術レベルが高くない出願の中には、特許にならないものが少なからずある。

3.審査のリソース
 中国では、上記したように、特許出願数が非常に多い。審査官のリソースが不足すると、審査官一人ひとりが膨大な量の審査を行わなければならない。その結果、審査段階では、特許になるかどうかについて、十分に精査されない可能性がある。

 中国では、特許制度の改善に向けた取り組みが続けられています。中国における今後の特許査定率の変化に注目していきたいと思います。
  

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