未管理著作物裁定制度について

 文化庁は、2月26日から「個人クリエイター等権利情報登録システム」等の運用を開始しました。簡単にいうと、個人が創作した著作物を文化庁が運用するサイトに登録することができるシステムです。
 もっとも、このシステムを理解するには、今年4月から運用が開始される「未管理著作物裁定制度」を理解していないと分かりにくいため、今月は、まず「未管理著作物裁定制度」を説明して、来月「個人クリエイター等権利情報登録システム」を説明します。

出典:文化庁HP「未管理著作物裁定制度」の広報資料

 上図は、未管理著作物裁定制度(著作権法第67条の3)の流れを説明した図です。
 この制度は、著作者が誰か分からない著作物や、著作者は分かるものの利用方法等が分からない著作物、又は著作者に連絡しても14日以上反応がない著作物等について、利用希望者が文化庁に裁定を申請して、その申請に対して文化庁が審査をして裁定条件等(補償金等)を決定して、その後、文化庁がその著作物と裁定実績をサイトに公開して、利用希望者が補償金を支払うことで、その著作物を利用できるという制度です。

 この制度の趣旨は、理解できますが、普段、特許権等、登録されている権利を扱っている者の立場から見ると、登録がなくても権利が発生する著作物について、果たして補償金を支払ってまでこの制度を利用したいというニーズがあるのか、という疑問が湧きます。なぜなら、登録のある特許権でさえ侵害しないように(ライセンス料を支払わないように)、商品開発を行うことが通常なのに、敢えて補償金を支払ってまで登録のない著作物を利用したいと思う人がどの程度いるのか、想像することができないためです。

 生成AIも含めてデジタル技術の発展で、著作物の複製等が容易になった時代、著作者保護のニーズはより高まっていると思います。しかし、実効性のある制度でなければ著作者は保護できないと思います。より実効性のある制度が作られることを期待します。

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