「個人クリエイター等権利情報登録システム」について

 先月からの続きですが、今月は、文化庁が2月26日から運用を開始した「個人クリエイター等権利情報登録システム」について、説明します。

 先月ご説明させて頂いたように、今月1日から文化庁は、著作者が誰か分からない等により利用できない著作物について、文化庁が裁定条件等を決定して、利用希望者が補償金を支払えば、利用することができる「未管理著作物裁定制度」を運用しています。

 ここで「誰の著作物なのか分からない」という状況を減らして、この裁定制度を効果的に運用するために、文化庁は①「個人クリエイター等権利情報登録システム」を運用しています。また、同時に、著作権等管理事業者や権利者団体のウェブサイト等へのリンクを表示する②「分野横断権利情報検索システム」も運用しています。

出典:文化庁HP「個人クリエイター等権利情報登録システム」トップページ
https://search.creator-rights.bunka.go.jp/login

このうち、①「個人クリエイター等権利情報登録システム」は、主に個人の方が自身の著作物等についての権利情報を登録するとともに、その著作物等の第三者による利用についての意思表示を行うことができるシステムです。また、利用希望者は、このシステムで、対象の著作物等を検索し、権利者の連絡先や意思を確認することもできます。

 ここで問題となるのが「真の権利者の著作物を、他人が勝手にこのシステムに登録し、権利者として振る舞うこと」です。もちろん、著作物は創作した時点で著作権者が決まり、登録等の手続きは不要です。このため、こうしたシステムを作ると、この問題が生じます。

 この問題に対して、文化庁の見解を確認しようと、文化庁HPを調べてみましたが、直接的な見解については出されていないようでした(弁護士等の専門家に相談してください、のような記載は発見しましたが…)。
 個人的には、このシステムは性善説で運用されて、初めて有効になるのであって、「著作物の真の権利者を巡る紛争」を誘発する危険性が高く、真の権利者に余計な負担を与えてしまうように思います。
 文化庁には、この点をしっかりと認識して頂き、このシステムの運用について検討して頂きたいと思います。

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