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それが前田特許事務所です。

オーストラリア特許制度の概要

保護対象

明確な規定なし
※物質、人体の治療方法、コンピュータプログラム及びビジネス方法は保護対象となる

先願主義

同一発明については最先の出願人のみが特許権を取得できる。ただし、同一発明について同日に2以上の出願があった場合は協議で定めた出願人のみ、又は長官の指示により特許権を取得できる。

出願言語

英語

出願に関する料金

・完全明細書付き標準特許出願(通常の特許出願)
 出願料: 出願料:370豪$(電子出願) 470豪$(紙出願)
 審査請求: 490豪$
・仮明細書付き特許出願(12ヶ月以内に完全明細書を提出すること)
 出願料:  80豪$
・完全明細書付き新案特許出願(実体審査なし)
 出願料: 180豪$

*料金は最新ではない可能性があることにご留意ください。

出願審査請求制度

完全出願日(完全明細書の提出日)から5年以内に可能。

早期審査制度

・優先審査の請求
出願人は、早期審査が公衆の利益に適うという要件、または早期審査が望ましいとする特別の状況があるという要件を満たす理由を提示することにより、早期審査を請求することができる(1991年特許規則3.17)。理由の例は、商業的な理由、発明が環境技術に関連するという理由、侵害可能性が存在するという理由など。
・GPPH(Global Patent Prosecution Highway)に基づく早期審査の請求
・PCT-PPHに基づく早期審査の請求

新規性の判断

出願日(又は優先日)前に世界のいずれかの場所において発明が公然知られ(公知)、公然用いられ(公用)、または頒布された刊行物に記載された(刊行物記載)発明は、新規性を有しない(絶対的新規性)。

新規性喪失の例外規定(特許法第24条)

・優先日前12ヶ月以内に、正当な試験の目的でのみ実施し、公然実施の必要性が合理的な場合
・書面によって行なった学術団体による発表から6ヶ月以内
・出願人の意図に反して開示された後、優先日前12ヶ月以内に、公表する場合
・特定の国際博覧会において優先日前6ヶ月以内に公開した場合
・優先日前12ヶ月以内に、連邦、国等によって発明を調査する権限を与えられた者に情報を提供した場合、及び権限を与えられた者が調査の目的で実施した場合

クレーム/明細書の記載要件

記載要件については、オーストラリア特許庁実務及び手続マニュアルの「2.11 特許法第40条-明細書」において説明されている。

・クレームの記載要件
「(3) クレームは,明瞭かつ簡潔で,明細書に開示された事項により裏付けられていなければならない。」(同法40条、明確性要件及びサポート要件)  複数クレームを引用する複数のクレームを引用すること(いわゆるマルチのマルチ)は認められる。

・明細書の記載要件
「(2) 完全明細書は次の通りでなければならない。(a)関連技術の熟練者が発明を実行するのに十分明瞭で,かつ,十分完全な方法で当該発明を開示すること (aa)出願人に知られている,発明実行の最善の方法を開示すること」(同法40条、実施可能要件)

 

発明の単一性

PCTの基準(PCT規則13)により単一性が判断される。

補正の制限

明らかなミスや誤記を除いて、明細書等に新規事項を追加することが禁止される。

拒絶理由に対する応答期間

2013.4.15施行の法改正後に審査請求した出願は、拒絶理由通知から12ヶ月以内(延長は認められない)の完全明細書の受理期間(アクセプタンス)。
2013.4.15施行の法改正前に審査請求した出願は、21ヶ月以内(但し、12ヶ月以降は手数料が必要。)の完全明細書の受理期間(アクセプタンス)。
拒絶理由通知の回数に制限はない。但し、手続きが行き詰まった場合には、ヒアリングを行なうことができ、その結果に基づいて長官は補正命令を通知することができる。

出願公開制度

あり。
出願日(優先権主張出願の場合は優先日)から18ヶ月後に公開。出願公開から特許付与までの間に受けた侵害の損害賠償を請求可能。

分割出願の可能時期

審査官から指摘された場合。
自発補正は、親出願の公告後3ヶ月まで。

加盟している条約

パリ条約、PCT、WTO協定、TRIPs協定、ブダペスト条約、ストラスブール協定、特許法条約

優先権主張出願について

パリ条約に基づく優先権主張出願
PCTに基づく優先権主張出願

変更出願

特許出願と意匠出願との間での変更は不可。但し、標準特許出願と新案特許出願との間では可能。

不服の申立

出願が拒絶された場合、連邦裁判所に不服を申し立てることができる。

特許権の存続期間

出願日(完全明細書の提出日)から20年間。
追加特許の存続期間は、主特許の残存期間。 医薬品又はその製造方法に関する特許の期間延長あり(最大5年間)。

異議申立制度

あり。
公告から3ヶ月以内に、特許付与に対する異議申し立て通知を連邦裁判所に行なうことができる。

無効審判制度

特許の取り消しを管轄裁判所に提起することができる。

特許権成立後の訂正

原明細書において実質的に開示されていない事項をクレームする訂正は不可。
公告後は、訂正されたクレームが訂正前の明細書におけるクレームに実質的に含まれない訂正は不可。
公告後は、明細書が「明細書及びクレームの要件」に適合しなくなる訂正は不可。

小特許/実用新案制度の有無

イノベーション特許制度あり。実体審査なし。ただし、権利行使するには、審査証明を得る必要がある。権利期間は出願から8年。イノベーティブ性の基準は、進歩性の基準よりも低い。

その他

2013.4.15施行の法改正により、オムニバスクレームが認められなくなった。また、同法改正により、修正審査制度が廃止された。