メキシコ特許制度の概要

メキシコ特許制度の概要

発明の保護対象

発明とは、特定の必要性を直接的に満足させるために、自然界に存在する物質又はエネルギーを人のため使用可能とする、人の創造であると定義される。発明は、産業上の実用性を有する方法及び製品を含む。
ただし、(1)理論上又は科学上の原理、(2)自然界に既に存在するものを知らせる又は明らかにする発見、(3)精神作用、ゲーム、ビジネス活動を行うための構想、計画及び方法等、(4)コンピュータプログラム又はソフトウェア、(5)情報の提示、(6)美的創作物、芸術等、(7)人体(動物を含む)に適用される処置方法又は診断方法、(8)動植物の品種等は、保護対象から除外されている。

先願主義

先願主義である。

出願言語

スペイン語のみ。

出願に関する料金(別途、16%の付加価値税が必要)

出願手数料: 7577.39MXN(メキシコ・ペソ)(1MXN=約6円)
*出願手数料には方式及び実体審査の手数料を含む
優先権主張料: 996.28MXN(パリ条約)

*料金は最新のものではない可能性があることにご留意ください。

審査請求制度

なし。
審査請求は出願に基づき行われ、方式審査及び出願の公開後、新規性、進歩性及び産業上の利用可能性について審査される。

新規性喪失の例外規定

あり。
特許を受ける権利を有する者による、出願日(又は優先日)前12ヶ月以内における発明の公表の場合。
特許を受ける権利を有する者が、出願日(又は優先日)前12ヶ月以内に国際的な博覧会に出品することにより発明が公表された場合。
ただし、いずれの場合でも、出願時に証拠書類等を提出する必要がある。

補正の機会

特許付与前は、クレームの範囲を拡大しないことを条件に補正が認められる。
特許付与後は、明らかな誤記の訂正又はクレームの範囲を縮小する補正のみが認められる。

拒絶査定の時期

特許要件を満たしていない場合は、拒絶理由通知(応答期間2ヶ月)が発行される。本期間は、請求により2ヶ月間延長することができる。
提出された意見書等によっても拒絶理由が解消していない場合は、最終的に拒絶査定がなされる。

出願公開制度

出願日(又は優先日)から1年6ヶ月後に公開される。早期公開制度あり。

分割出願の可能時期

自発的には特許付与前、又は発明の単一性を満たしていない旨の通知から2ヶ月以内に分割出願を行うことができる。

優先権主張出願について

パリ条約に基づく優先権主張出願
PCTに基づく優先権主張出願
国内優先権主張願

変更出願

特許出願の内容が保護対象を構成しないことが判明した場合は、実用登録出願又は意匠登録出願に変更可能。
ただし、自発的には、出願から3ヶ月以内。また、審査官から変更を出願の変更を要求された日から3ヶ月以内に限る。

新規性の判断

絶対新規性。
出願に係る発明がその出願日前(優先権を主張する場合は、優先日前)に国内外で、公知、公用又は刊行物に記載されている場合には、新規性はない。

拒絶査定不服の申立制度

拒絶査定書の発行日から30日以内に、産業財産権庁に不服を申立てることができる。

特許料の納付時期

特許付与通知の通知日から2ヶ月以内に、特許料及び5年度分の年金を納付する必要あり。

特許権の存続期間

出願日から20年。延長不可。

異議申立制度

なし。

 

無効審判制度

あり。

その他

強制実施権あり。特許付与から3年、又は出願から4年。
また、日本-メキシコ間では2011年7月から特許審査ハイウェイ(第一国で特許可能と判断された発明を有する出願について、第二国で早期に審査するプログラム)の試行プログラムが開始されていたが、2011年11月1日から特許審査ハイウェイが本格実施されている。