仮想空間上の店舗に使用するロゴやデザインを権利化するには

Q:
仮想空間上の店舗に使用するロゴやデザインを権利化したいが、どのようにすればよいでしょうか。

A:
 意匠または商標に関し、権利化を図ることができます。
 ただし、それぞれに注意点がありますので、以下に説明します。

■意匠
 令和元年の法改正により、画像意匠も意匠権を取得できることになりました。
 ただし、すべての画像が意匠権の取得対象となるわけではく、以下のいずれかに当てはまる意匠のみが取得対象となります。

 (1)機器の操作の用に供される画像(操作画像)
 (2)機器がその機能を発揮した結果として表示される画像(表示画像)

(1)に該当する画像として、
例えば、ウェブサイトにおける商品購入用入力画面のデザインや、クリックするとソフトウェアが起動する操作ボタンのデザイン等があります。
(2)に該当する画像として、
例えば、医療用測定結果表示画像や、機器を使用した時間を仮想空間上に表示するための時計表示のデザイン等があります。

 詳しくは、下記の意匠審査基準、ハンドブックでご確認ください。
 権利化を図るにあたっては、まず、使用するロゴやデザインが(1)、(2)のいずれに該当するのかを検討すべきです。判断に迷われたら、弁理士に相談するのがよいと思います。
 また、意匠登録出願を行う場合、願書及び図面等の記載方法に関して留意する必要があります。これに関しては、弁理士にご確認ください。

 なお、(1)、(2)のいずれにも該当しない画像、例えば、仮想空間上の店舗で販売する商品のデジタル画像等は、意匠権として権利化できません。
 この点は留意しておく必要があります。

■商標
 仮想空間上におけるロゴやデザインは、商標権の登録対象になり得ます。
 なお、商標登録出願を行う場合、指定商品や指定役務の記載に関して留意する必要があります。これに関しては、弁理士にご確認ください。

■諸外国の状況
 仮想空間上におけるロゴやデザインに関する意匠/商標の権利化可能性、また権利行使の可能性に関しては、現時点、諸外国で共通化されているわけではありません(参考資料1、2)。
 海外での権利化を希望される場合は、このことを踏まえ、最新状況を確認しながら進める必要があります。

▶ガイドブック(仮想空間において用いられる画像の意匠登録出願に関するガイドブック)
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/design/document/kaso-gazo-guidebook/guidebook.pdf

▶意匠審査基準(第IV部、第1章)
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/design/shinsa_kijun/document/index/isho-shinsakijun-all-links.pdf

▶仮想空間及び非代替性トークン(NFT)に関する指定商品・指定役務について
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/binran/document/index/46_02.pdf

▶参考資料1
https://www.jpo.go.jp/resources/report/takoku/document/zaisanken_kouhyou/2022_02-summary.pdf

▶参考資料2
https://japio.or.jp/00yearbook/files/2023book/23_a_05.pdf

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