既存システムの一部をAIに置き換えた発明は権利化できるのか
Q:
発明者より、人が行っていた作業であったり、既存のシステムの一部を単にAIに置き換えただけの印象を受ける発明について出願ができるかの相談を受けました。
このような場合でも特許出願して、権利を取得することはできるのでしょうか。
A:
人間が行っている業務を単にAI(コンピュータ)に置き換えて、自動化したり、効率化しただけでは、審査において、進歩性を有しないとして拒絶されます。
そのことは、文末に記載の参考資料にも記載がされています。
したがいまして、既存のシステムの一部を単にAIに置き換えただけの場合、権利を取得するのは難しいかと思います。
一方で、実際のAIの導入現場では、単にAIを導入するだけでは、思ったような性能が発揮できないということも多いようです。
そのような場合に、入力データや教師データを工夫したり、モデルの学習方法を工夫したりして、性能を向上させたり、チューニングを行うことも多いかと思います。
このように、AI導入の過程で改良や工夫が行われた場合には、一見すると、単にAIに置き換えただけのように見えても、その工夫点をポイントとして、出願し、権利化ができる場合も十分にあり得ると考えます。
発明者様からのご相談が、AIへの単なる置き換えに見えても、AIを導入する過程でどのような課題が発生したか、または、発生しそうなのか、それをどのように解決していくのかという観点で、発明者様にご質問・ご確認いただくことで特許の取れるネタが見つかるかもしれません。
参考資料:
AI関連技術に関する特許審査事例について(特許庁HP)
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/ai_jirei.html
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