日本の新聞社数社が、生成AIサービスを運営する米新興企業に抗議文を送付

 今回の知財ニュースは、共同通信社等の日本の3社が、今月1日に米国の生成AI検索サービスの運営者、新興企業「パープレキシティ」に、著作権を侵害しているとして、抗議文を送付したことについて紹介します。なお、この「パープレキシティ」には、日本経済新聞社等の大手3社が、今年8月に東京地裁に訴訟を提起しています。

  

 各新聞社が主張していることを、上のイメージ図を使って説明します。
 ①生成AI検索サービスは、新聞社の許可なく記事データを収集・複製して、
 ②利用者が質問を入力すると、
 ③その記事データを基に回答を作成して利用者に提供している。このため、
 ④利用者が新聞社HPにアクセスしない「ゼロクリックサーチ」という新聞社にとっては収益構造を深刻な影響を及ぼす状況を作り出している。
 よって、パープレキシティは、各社の経済的利益を害しており、各社の著作権を侵害するとの主張です。

 なお、生成AIと言えば「ChatGPT」が有名でその運営主体である「OpenAI」が有名ですが、海外では、このOpenAIも著作権侵害で訴えられています。もっとも、日本では、記事データと回答の表示内容の乖離が大きい(類似していない)ため、OpenAIへの訴訟は、提起されていないようです。

 著作権侵害には、ご存じのように「類似性」と「依拠性」が求められますが、生成AIでは「依拠性」が特に問題となります。
 そこで、文化庁は、昨年4月に「AIと著作権に関する考え方について」(以下のリンク先データ)を取りまとめています。
 https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/94037901_01.pdf

 この資料のP36以降には「侵害行為の責任主体について」に論じられている部分があり、サービス提供事業者も責任主体となり得るが「類似物を生成することを防止する措置を取っている」場合には、責任主体とは、なりにくいと記載されています。

 今回の「パープレキシティ」がこうした防止措置を取っているのか不明ですが、東京地裁がどのような判決を下すのか、興味を持ってフォローしたいと思います。

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