6年ぶりに中小企業向けの「知財活動(活用)事例集」が発行される
今回の知財ニュースは、2018年から発行されていなかった中小企業向けの「知財活動(活用)事例集」が、特許庁から約6年ぶりに発行されたことについて紹介します。
出典:特許庁HP https://www.jpo.go.jp/support/example/kigyou_jireii2024.html
特許庁は、7月23日に上記「知財活動事例集」を発行しました。特許庁は、従来、2008年ごろからほぼ毎年、知財を活用している中小企業を120社から50社程度を纏めて発表する「知財活用(活動)事例集」を発行していました。しかし、ここ数年、こうした「知財活用(活動)事例集」を発行していませんでした。
特許庁は、この発行されていない期間に、スタートアップやベンチャー企業をターゲットにしたと思われる「知財経営」や「デザイン経営」等に関する冊子や事例集等を発行していました。こうしたことから、私自身、特許庁は知財強化を図るターゲットを中小企業から、スタートアップやベンチャー企業に切り換えたのだろうと思っていました。
なお、「デザイン経営」とは、特許庁HPによると、「デザインの力をブランドの構築やイノベーションの創出に活用する経営手法で、その本質は、人(ユーザー)を中心に考えることで、根本的な課題を発見し、これまでの発想にとらわれない、それでいて実現可能な解決策を、柔軟に反復・改善を繰り返しながら生み出すこと」と定義されています。私はこうした抽象的な概念で「デザイン経営」を定義すると、「デザイン経営」を理解できる中小企業の方は、ほとんどいないのではないか、と感じていました。
今回の「知財活動事例集」に掲載された企業は14社と少ないですが、以前の「知財活用事例集」と同じように具体的な成功事例が掲載されています。中小企業の方には、参考になる記事が、多く掲載されていると思いますので、是非読んで頂きたいです。
私は、今回、特許庁がこうして「知財活動事例集」を発行してくれたことで、特許庁が「中小企業も見捨ててないよ。」と言ってくれているようで、少し嬉しい気持ちになりました。