令和8年(2026年)1月に改正下請法が施行されるが、知的財産権に関して留意しておく点はあるか?
Q:
令和8年(2026年)1月に改正下請法が施行されるそうです。知的財産権に関して留意しておく点はありますか?
A:
(1)改正の概要
今回の改正により、「下請代金支払遅延等防止法(通称:下請法)」は、法律名が「中小受託取引適正化法(通称:取適法)」に変更されます。
主な改正内容は、
1.法律が適用される対象(会社規模、取引内容)の拡大
2.禁止事項の拡大(手形払等を禁止その他)
3.面的執行の強化(事業所管省庁に指導・助言権限を付与)
です。また、1、2と関連して、委託事業者(旧 親事業者)への義務、禁止事項が強化されています。
詳しくは下記の(i)~(iii)をご確認願います。
(2)知的財産権に関する留意点
今回、知的財産権に直接関連した部分に関する大きな改正はありません。ただし、旧下請法も踏まえて、以下に留意する必要があります。
前述した義務のうち、発注内容等の明示義務(第4条)に関して、下記(iv)に知財関連の注意事項が示されています。
例えば、委託事業者から中小受託事業者(旧 下請事業者)への委託業務が情報成果物作成である場合(第2条第3項)、委託した情報成果物に関し、中小受託事業者において知的財産権が発生することがあります。
委託事業者が、作成の目的たる使用の範囲を超えて当該知的財産権を自らに譲渡・許諾させることを含んで情報成果物作成を発注する場合には、「給付の内容」の一部として、当該情報成果物に係る知的財産権の譲渡・許諾の範囲を明示する必要があります。
また、その場合には給付の内容に知的財産権が含まれることとなるので、代金には、知的財産権の譲渡・許諾に係る対価を加える必要があります。
((iv)の38ページ、49ページのQ65、Q66、68ページのQ90)
給付の内容に知的財産権が含まれている場合、当該知的財産権の対価を考慮せず一方的に通常支払われる対価より低い額を委託事業者が定めることは、「買いたたき」に該当するおそれがあり、第5条第1項第5項の規定に違反するおそれがあります。
((iv)の86ページ、その他、「買いたたき」に関しては、88ページのQ112も参照。)
また、知的財産権の譲渡・許諾に関し、中小受託事業者から価格協議の求めがあったにもかかわらず、協議に応じなかったり、必要な説明を行わなかったりするなど、委託事業者が一方的に代金を決定することは、第5条第2項第4号の規定に違反します。
また、委託事業者が中小受託事業者に発生した知的財産権を、作成の目的たる使用の範囲を超えて無償で譲渡・許諾させることは、不当な経済上の利益の提供要請(第5条第2項第2号)に該当します。
((iv)の102ページのQ121、Q122、68ページのQ90)
なお、この機会に知的財産取引ガイドライン(下記(v))も再度確認されるのがよいかと思います。(2025年1月号メルマガに関連内容が記載されています。)
(i) https://www.jftc.go.jp/file/toriteki_leaflet.pdf
(ii) https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2025/251014_01.pdf
(iii) https://www.gov-online.go.jp/article/202511/entry-9983.html
(iv) https://www.jftc.go.jp/toriteki/r7text.pdf
(v) https://www.meti.go.jp/press/2024/07/20240731001/20240731001.html
知的財産取引ガイドライン全般は下記参照
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/chizai_guideline.html
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/chizai_guideline/guideline01.pdf
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