特許出願で拒絶理由通知を受け取った。審査官との面接を行うべきか。

Q:
 特許出願に対して拒絶理由通知が送られてきました。
 審査官との面接ができると聞きましたが、面接をした方がよいでしょうか。

A:
1.概要
 面接審査制度は、出願人や代理人等が直接審査官に技術の内容を伝え、効率的・効果的に審査を進めることができる制度として設けられています。
 特許庁HPにおいて、「特許庁では、審査の質を高めるとともに、強く・広く・役に立つ特許権を設定するために、面接を実施しています。」と記載されており、出願人としても、有効に活用していくのがよいかと思います。
 権利化に向けて、協力的な審査官が多い印象を持っています。

2.面接の種別について
「特許庁での面接」、「出張面接」、「オンライン面接」の3種類から選択できます。
「オンライン面接」は、場所を選ばずに実施ができますので、弊所でも一番よく使われている印象があります。
「出張面接」については、審査官に指定場所(例えば、工場等)に来てもらうという方法のほか、関西の場合は、INPIT関西(グランフロント内)に審査官に来てもらう方法もあります。
 サンプルや実物を審査官に見せたい場合等には、有効な手段だと思います。

「特許庁での面接」、「出張面接」については、4週間前を目安に申し込みが必要であり、実施する場合には、早めの準備が必要な点に注意が必要です。

3.面接が可能な時期について
「面接が可能な期間は、審査請求から①特許査定の送達まで、又は②前置審査の終了(長官報告)まで」とされています。
 拒絶査定不服審判において、補正をすると前置審査に移行しますので、前置審査において審査官に面接依頼ができます。

4.面接の目的について
 後述する面接ガイドライン(特許庁発行)では、面接の目的として、
 (1)出願された発明の技術的特徴
 (2)本願発明と先行技術の対比
 (3)明細書等の補正案等
 が面接での相談事項の代表例として記載されています。

 弊所で実施している面接審査についても、概ね、上記(1)-(3)の内容で行っています。

5.どのようなときに面接をするのか
 代表的な例では、以下の3点があると思います。
 (1)拒絶理由通知を受け取ったが、審査官に発明の内容がうまく伝わっていないと感じる場合
 (2)審査官に技術内容をしっかり理解した上で審査をしてほしいと感じる場合
 (3)出願人の事業等にとって非常に重要な出願である場合

 拒絶理由通知に応答した後に、最後の拒絶理由通知、または、拒絶査定を受けた場合、その後の補正について制限事項が増えます(特許法17条の2)。
 したがいまして、面接を検討するのであれば、最初の拒絶理由通知後がおすすめです。

6.留意点など
 面接審査を行う場合には、審査官に相談したい内容に応じた資料の準備が必要になります。
 不適切な面接の事例として、「代理人等が先行技術文献等の提示や対比説明をせずに、単に出願が特許になるか否かについて問い合わせる場合」、「代理人等が具体的な案を準備していない場合」が例示されています。
 上記の記載から、何の前準備もなく、審査官に心証を確認する、というのは避けた方がよいです。

 また、審査官との面接審査は、審査の公平性の観点から、原則1回となっています。
(特許庁HPには、2回目を受けないわけではない、との注記がありますが、2回目は認めてもらえない場合が多い印象です。)
 具体的には、例えば、1回目に軽く相談し、さらに2回目に詳細を詰めるということが基本的にできません。
 したがいまして、面接審査をする場合には、面接までにある程度の方向性を決めておく必要があります。

 面接するほどでもない場合等には、面接に準ずる手続きとして、(代理人等)による電話での問い合わせ、メール等での補正案の確認依頼ができるようになっています。
 応答案を審査官に見てもらえればわかると思う場合や、この応答案で拒絶理由が解消するかの心証を知りたい、といったような場合には、前向きにご検討いただいてもよいかと思います。

 なお、面接審査で前向きな心証であっても、その後の追加サーチ等で、追加の拒絶理由が出ることがあります(面接にて、登録査定が約束されることはありません)。

 通常の応答費用に加えて、弊所の追加費用が発生しますが、応答回数が削減できる可能性があり、1つのオプションとして、面接制度を有効に活用していくのがよいかと思います。

面接ガイドライン(特許庁)
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/document/mensetu_guide_index/tokkyo.pdf

個別案件への質問等については、担当弁理士にご確認ください。
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