「生成AIで作成した画像に著作権が認められるか?」という裁判が提起される
生成AIで様々な画像や動画が作られ、人が作成(撮影)したのか、生成AIで作成したのか、分からない画像等が数多く見られるようになりましたが、今年の8月に、「生成AIが作成した画像に著作権が認められるか?」という論点を争う裁判が提訴されました。
事件は、大阪のコンテンツ会社が生成AIを使って作成した画像を、千葉の企業が勝手に複製・翻訳したとして、大阪のコンテンツ会社が大阪地裁に提訴しました。なお、「生成AI画像の著作物性」について裁判で争われるのは、今回の裁判が最初のようです。
文化庁は2023年6月に「AIと著作権」を公表して、公式見解として「生成AIが自律的に作り出した文章・画像は、人間の『思想または感情の創作的表現』とは言えないため、基本的に著作物に該当しない」としています。
もっとも、「人間が『創作のための道具』として生成AIを使って、生成物の表現に主体的に関与した場合、具体的には『創作意図』と『創作的寄与』の両方が認められる場合には、著作権が発生しうる」としています。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/aiandcopyright.html?from=@
今回の事件で、原告は、「プロンプト設計、生成画像の選択、人の手による修正・加工、画像合成といった創作的寄与が積み重ねられている」と主張しています。
そのため、文化庁が示している考え方に照らせば、原告がどのような創作意図を持ち、生成AIを利用した制作過程において、最終的な画像の表現にどの程度創作的に関与したのかが「生成AI画像の著作物性」を判断する上で、重要なポイントになりそうです。
もっとも、今回の訴訟は、被告側が5月に東京地裁に提起した債務不存在確認訴訟(著作権侵害に基づく損害賠償請求権の不存在確認訴訟)の反訴として提起されており、被告側にも、生成AI画像には著作権が発生しないと、強い確信があるようです。
なお、個人的には、生成AIによる画像制作であっても、人間がプロンプトを工夫し、多数の生成物から選択し、さらに修正・加工や画像合成などを行うケースでは、人間による創作的寄与が認められる余地は、相応に大きいのではないかと考えています。
最終的にどのような判決が下されるのか、興味をもって追っていこうと思います。
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