「経営戦略に資するIPランドスケープ実践ガイドブック」遂に発行
今回の知財ニュースは、4月24日に特許庁から発行された「経営戦略に資するIPランドスケープ実践ガイドブック」についてです。
今まで「IPランドスケープ」が大事だと言われつつも、具体的な手法が明確でなかったため、単なる「パテントマップ」を、「IPランドスケープ」と言われる方も多かったのですが、今回のガイドブックを通じてこの誤解も解消されるものと思います。
出典:特許庁HP「経営戦略に資するIPランドスケープ実践ガイドブック」
https://www.jpo.go.jp/support/example/ip-landscape-guide/
今回のガイドブックで、個人的に参考になったのは、「目的ごとの分析手法の整理」と、実在する3社「Hilti社」「Bosch社」「Nestlé社」を題材とした「仮想実施事例」です。
IPランドスケープの目的を13に分類して、それぞれの目的に応じてどの分析手法が適切なのかを纏めた「目的ごとの分析手法の整理」は、今回はじめて知りました。
また、「仮想実施事例」については、各事例がかなり詳細に物語風に紹介されており、「事業部門」と「知財部門」が何度もキャッチボールを行って、最終目的(目標)に近づく様子が分かる事例となっています。いずれの事例でも、最初に事業部門から課題設定が行われ、その課題に対して知財部門がマーケット情報や知財情報を絡めて答える、という流れでIPランドスケープが行われることが分かります。
今回のガイドブックは、「IPランドスケープ」を実践されている、又はされようとしている企業においては、知財部門だけでなく経営部門や事業部門にも読んで頂きたいガイドブックだと思います。