「生成AIが作成した画像に著作権が認められるか?」裁判が提起される

 今月も生成AIに関連する事件を紹介します。8月、大阪のコンテンツ会社が生成AIを使って作成した画像を勝手に複製・翻案されたとして、千葉の企業を、著作権侵害で大阪地裁に提起しました。なお、「生成AI画像の著作物性」について裁判で争われるのは、今回の裁判が、最初だと思います。

  原告Sai beautyの画像  被告Beauty Okamotoの画像
出典:朝日新聞(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00412.html)

 まず、文化庁は2023年6月に「AIと著作権」を公表して、公式見解として「生成AIが自律的に作り出した文章・画像は、人間の『思想または感情の創作的表現』とは言えないため、基本的に著作物に該当しない」としています。もっとも、「人間が『創作のための道具』として生成AIを使って、生成物の表現に主体的に関与した場合、具体的には『創作意図』と『創作的寄与』の両方が認められる場合には、例外的に、著作権が発生しうる」としています。

 今回の事例において、原告は、「プロンプト設計、生成画像の選択、人の手による修正・加工、画像合成といった創作的寄与が積み重ねられている」と主張しています。
 そのため、文化庁が示している考え方に照らせば、原告がどのような創作意図を持ち、生成AIを利用した制作過程において、最終的な画像の表現にどの程度創作的に関与したのかが、著作物性を判断する上で重要なポイントになりそうです。

 もっとも、今回の訴訟提起は、被告側が5月に東京地裁に提起した債務不存在確認訴訟(著作権侵害に基づく損害賠償請求権の不存在確認訴訟)の反訴として提起されており、被告側にも、生成AI画像には、著作権が発生しないことについて強い確信があるようです。

 なお、個人的には、生成AIによる画像制作であっても、人間がプロンプトを工夫し、多数の生成物から選択し、さらに修正・加工や画像合成などを行うケースでは、人間による創作的寄与が認められる余地は相応大きいのではないかと考えています。
 最終的にどのような判決が下されるのか、興味をもって追って行こうと思います。

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