ドイツ特許制度の概要

ドイツ特許制度の概要

発明の保護対象

以下のものは発明とみなされない。

・発見、科学の理論及び数学的方法
・審美的な創作物
・精神的な行為をし、遊戯をし、又は事業活動をするための計画、規則及び方法

特許は次のものに対しては付与されない。

・ヒトをクローン化する方法
・ヒトの生殖細胞系列の遺伝的同一性を変更する方法
・ヒトの胚の、工業又は商業目的での使用
・動物の遺伝的同一性を変更する方法であって、ヒト又は当該動物に対する実質的な医療上の利益なしに、当該動物を苦しめるおそれがあるもの。更に、当該方法から生じる動物に対しても特許は付与されない。(特許法第2条)
・手術又は治療による人体又は動物の体の処置方法、及び人体又は動物の体の診断方法(これらの方法に使用する物質又は組成物には特許付与される)(特許法第2a条)

 

 

先願主義

同一発明については最先の出願人のみが特許権を取得できる。

出願言語

ドイツ語。他の言語で出願しても出願日は認定されるが、出願日から3ヶ月以内にドイツ語翻訳文を提出しなければ、出願が取り下げられたものとみなされる。
ただし、出願言語が英語又はフランス語の場合は、出願日から12ヶ月以内(優先権の主張を伴う出願の場合は、優先日から15ヶ月以内)にドイツ語翻訳文を提出すればよい。(特許法第35条(1)、第35a条(1)(2))」
なお、PCT出願の国内移行の際に提出する明細書の言語としては、ドイツ語のみが認められる。

出願に関する料金

出願料金: 50EUR
新規性調査料金*: 250EUR
新規性調査請求後の審査請求料金: 150EUR
審査請求料金: 350EUR

*新規性調査制度:出願日から7年以内に新規性調査請求を行うことで、その特許出願の発明に関する先行技術文献を調査することができる。
*料金は最新ではない可能性があることにご留意ください。

出願審査請求制度

出願日から7年以内

新規性喪失の例外規定

・出願人の意に反して発明が公表された場合。
・発明が国際的な博覧会に出品されたことにより公表された場合  但し、いずれの場合でも、公表された日から6ヶ月以内に出願がされ、国際的な博覧会に出品した場合は、出願と同時に出品に関する陳述書を提出し、且つ出願日から4ヶ月以内に、博覧会に出品したことを証明する証明書を提出する必要がある。

補正の制限、機会

特許を付与すべき旨の決定が行われるときまでは、出願の内容は、出願の対象の範囲を拡大しないことを条件として、補正することができる。ただし、審査請求が提出されるまでは、明白な誤りの訂正、審査課によって指摘された不備の除去又はクレームの補正のみが容認される。出願の対象の範囲を拡大する補正は認められない。

拒絶理由通知に対する応答期間

通常4ヶ月。請求により応答期間を延長することができる。

出願公開制度

出願日(優先権主張の場合は優先日)から18ヶ月経過後に出願公開される。

分割出願の可能時期

出願人は、いつでも出願を分割することができる。

優先権主張出願について

パリ条約に基づく優先権主張可能。

変更出願

特許出願を基に同一発明について実用新案登録出願をすることが可能である。
この場合、同一発明について特許権と実用新案件の両者が登録されることは許容されている。

新規性の判断

絶対主義が採用されている。出願に係る発明が、世界中のいずれかの国で公知、公用、又は刊行物に記載されている場合には、新規性はなく特許を受けることができない。

不服の申立

拒絶査定に対して、拒絶査定の理由に不服がある場合には、決定の日から1ヶ月以内に連邦特許裁判所に対して不服を申し立てることができる。

特許料の納付時期

維持年金制度であるため、特許が付与されても特許料を納付する必要はない。

特許権の存続期間

発明に係る出願の日の翌日から起算して20 年。

異議申立制度

特許付与の公告の日から9ヶ月間の間に異議の申し立てが認められている

無効審判制度

連邦特許裁判所に無効訴訟手続を行うことができる。

特許権成立後の訂正請求

特許権者は、訂正審判を請求することが認められている。特許異議申立・特許無効訴訟において訂正を行うことも可能である。

その他

PCT出願の国内移行手続きの期限は、優先日から30カ月。
日本との間でPPH(MOTTAINAI)とPCT-PPHが行われている。