2018.5.22.【カンボジア】/ アジア初、欧州特許条約の締約国へ

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2018年3月1日より、欧州特許のカンボジア認証が可能となった。

欧州特許庁とカンボジア工業手工芸省は、欧州特許のカンボジアにおける有効化手続きについて協議を進めていたが、2017年1月23日に署名を行い、2018年3月1日より協定発効となった。

これにより、カンボジアはアジアで初の欧州特許の認証国となり、欧州特許条約の締約国への仲間入りを果たした。 

欧州特許をカンボジアで有効化するための要件は、以下の通り。

 1.欧州特許の出願日が2018年3月1日以降であること(出願日がこれより前のものについては、いずれも有効化の対象とならない)
 2.医薬品の特許でないこと(TRIPS協定を適用するまでの経過期間として、医薬品関連の特許保護は免除)
 3.特許請求の範囲のクメール語翻訳提出

指定費用は180ユーロ(欧州特許公報において欧州サーチレポートの公開について言及する日付より六月以内に納付)。

上記期限日までに費用を納付ができなかった場合、当該期限日より二月のグレースピリオド期間内であれば、50%の割増料金を支払うことで、適法な有効化手続きとして認められる。期限内に料金納付が行われない場合、カンボジア認証の請求は取下げられたものとみなされる。

2018年3月1日以降に欧州出願を行う者は、カンボジアを認証国として指定することができ(欧州特許公報の発行日から三月以内にカンボジアを指定)、欧州特許庁により特許付与された発明をカンボジアでも保護することが可能となる。

これにより、従来のカンボジア国内出願に比べ、特許審査にかかる時間が短縮され、出願人の金銭的負担が軽減されると同時に、庁内における審査業務の円滑化がはかられることになる。